循環器内科のご紹介

循環器のイメージ

なんだか動悸がする…。息ぎれする…。胸が痛い…。肩こりがひどい…。
どれかひとつでも当てはまったら、循環器専門医にご相談ください。

たとえば、比較的身近な、高血圧や不整脈。
胸の痛みや息苦しさが、一過性にあらわれる狭心症。
心筋梗塞を起こせば、命にかかわる場合もあります。

あなたの症状にあわせ、あなたの意志を尊重しながら、
一人一人に合わせた検査・治療の選択肢を提示いたします。

人生100年時代。
健康で長生きできる習慣を、あなたといっしょにつくっていく。
そんな、あなたの一生に寄り添うパートナーとなれる循環器内科を、私たちはめざしていきます。

循環器内科にご相談いただく症状例と判明する病気の一例

担当医師

小林 洋一
小林 洋一
理事長
昭和大学循環器元教授
内科医
循環器専門医
嶽山 陽一
嶽山 陽一
理事
昭和大学医学部名誉教授
内科医
循環器専門医

当クリニックの循環器内科で判明する病気例概要

1.不整脈

不整脈とは、心臓の脈拍が正常とは異なるタイミングで起きる状態で、脈が速くなる(頻脈)、脈が遅くなる(徐脈)、予定されていないタイミングで脈が生じる(期外収縮)などがあります。最も、頻度が多いのは、期外収縮で、上室性と心室性に分類されます。
自覚症状が無い場合が多く、健康診断などで、偶然発見される場合もあります。
頻脈性不整脈の代表は、心室細動や心室頻拍です。一方、徐脈性不整脈では、完全房室ブロック、洞不全症候群などがあり、いずれの場合も、生命に危険性がある場合が多いため、ぜひとも専門医に御相談ください。

1-1.ブルガダ症候群

心臓の血管や心筋には異常がなく、普段はとても元気。それなのにある日突然、死に至る心臓病のひとつに遺伝性不整脈があります。主な遺伝性不整脈としては先天性QT延長症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、ブルガダ症候群などがあり、そのうち、先天性QT延長症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍は子どもから比較的若年に多く、突然に危険な不整脈の発作が起こり、時には死亡に至ることもあります。
もうひとつのブルガダ症候群は1992年に欧州で発見、命名されたもので、中年の男性に多く、かつてぽっくり病と呼ばれた突然死のうちの一部はこのブルガダ症候群だったのではないかと言われています。この病気は心臓にある心室が突然にけいれんを起こしてしまうもの。けいれんしてしまう状態を「心室細動」と言いますが、心室の役割は血液を全身に送り出すこと。それがけいれんしてまったく血液を送り出せなくなると、脳が血液不足に陥り、人間は10秒ほどで失神してしまいます。さらにその状態が3分間ほど続くと脳がやられて死亡する恐れがあり、不整脈のうちでももっとも危険なタイプの不整脈ということができます。
こうした遺伝性不整脈は心電図にST上昇という特徴的な波形が右側胸部誘導(V1~V2)に現れるため、通常の心電図検査でも容易に発見することができます。ただし、確実に効く治療薬はありません。突然死の予防としては心室細動が起きた際に電気ショックを送って拍動を正常に戻すための埋め込み型除細動器(ペースメーカーの一種)が有効と言われています。ただ、親族に突然死をした人がいなければほとんど心配はないものと思われます。

2.心不全

心不全とは、何らかの心臓機能障害、すなわち心臓に器質的あるいは、機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難や倦怠感が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群と定義されています。
急性心不全と慢性心不全に分類されます。
急性心不全慢性心不全ともに、原因疾患は、高血圧性心疾患、弁膜症、虚血性心疾患(主として、心筋梗塞)、心筋症などがああります。
心不全には、左室駆出率が低下した(収縮機能不全)と、駆出率が50%以上の、拡張不全に大別されます。
いずれも、症状としては、息切れ、夜間呼吸困難、下腿の浮腫、易疲労感などがあり、血液検査で、BNP、NT-proBNPが高値となります。心エコー図検査は必須で、原疾患の同定、収縮機能障害と拡張機能障害の鑑別に有効です。治療に関しては、専門医にお問い合わせください。

3.狭心症

狭心症とは、一過性かつ可逆性の心筋虚血(心臓に血液が十分に行き渡らない状態)により、胸部症状(典型的には胸痛)を呈する症候群と定義されています。
診断は、胸痛発作時に、心電図にて、虚血性変化の確認が原則です。
分類方法は、様々ですが、一般的には、安定狭心症と不安定狭心症に分類されます。
前者は、動脈硬化症を背景に器質的冠動脈狭窄に基づく、心筋における酸素供給の減少によっておこります。
労作時(坂道を登ったり、階段の昇降時)に胸痛や胸部圧迫感を自覚して、診断を受けられるケースが多いと感じます。
後者は、冠動脈病変にプラークの破裂、血栓形成などに起因して発症するケースで、急性心筋梗塞に移行する例が多く、専門医に御相談ください。症状としては、胸痛の頻度が多くなり、安静時(静かにしている状態、運動時では無い時)にも出現することが、危険なサインです。

4.バセドウ氏病

喉仏の下にある甲状腺という臓器が異常をきたす病気のうちのひとつがバセドウ氏病です。甲状腺には全身の各器官の働きを活発にし、新陳代謝を促す役割を担う甲状腺ホルモンを分泌する役割があり、その機能が亢進あるいは低下することで全身が不調に陥ります。バセドー氏病は甲状腺機能亢進症の代表的な病気で若い女性患者が男性患者の5倍と、女性がかかりやすいのが特徴です。 症状は多岐に渡っており、暑がりでイライラする、疲れやすくなる、だるい、体重が減少あるいは増加する、微熱が出る、食欲が亢進あるいは低下、口が渇く、軟便や排便回数が増加する、手足が震える、骨粗鬆症になる、コレステロールの低下、血糖・血圧の上昇、肝障害、動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れなど。一般にバセドウ氏病の症状として知られている眼球突出は必ず出るわけではありません。
診断のためには血液検査を行います。治療には甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺剤を投与する薬物療法が一般的ですが、その他ヨウ素-131というアイソトープ(放射性物質)を飲む放射性ヨウ素内服療法、甲状腺を手術で切除し、作られる甲状腺ホルモンの量を減らす手術療法の3種類があり、その人の状態に合わせて選択されます。

5.心筋梗塞

不安定プラーク(脂質成分が多く、これを覆う、被膜が薄い状態で、容易に破裂、亀裂が生じてしまいます)の破裂(亀裂、破綻)に続いて、冠動脈内に血栓が形成され、急激に冠動脈の血流が低下してしまう病態を急性冠症候群と定義されています。この中で、最も、重篤な病態で、高度な心筋障害を伴い場合で、特に、心筋が壊死(死んでしまう)に陥ってしまう疾患です。
急性心筋梗塞と、慢性期になった、陳旧性心筋梗塞に分類されます。
診断は、狭心症とは異なり、心電図が経時的に変化する(典型的には、ST上昇、その後異常Q波の形成、陰性T波)のが特徴です。
また、心筋逸脱酵素(CPK、CK-MB)の上昇、心筋トロポニンTの上昇をもって、診断します。
重要な点は、診断基準には、胸痛は含まれません。これは、高齢者や糖尿病患者には、しばしば胸痛を自覚しないケースが多いからです。 急性心筋梗塞の初期治療は、再灌流療法が原則です。すなわち、冠動脈形成術(インターベンション)です。その後は、抗血小板薬の投与、合併症(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の治療を行います。
陳旧性心筋梗塞の治療は、急性心筋梗塞の安定期の上記治療と同じです。他に、薬物療法として、β遮断薬、ACE阻害薬の併用療法が推奨されています。

6.心房細動

一定のリズムで活動すべき心房が、無秩序に電気活動をしている状態を指します。
心電図にて、正常P波が無くなり、迅速な細動波を認められる、不規則な不整脈です。
肺静脈内から起きることが多いです。
加齢医とともに、発症頻度が高率となり、脳塞栓を合併する代表的な疾患です。
持続時間、停止様式から、発作性、持続性、永続性(慢性)に分類されます。
診断は、24時間ホルター心電図検査が有用です。心エコー図を行い、心臓の器質的な疾患の有無を調べることが大切です。
治療法としては、①心原性脳塞栓を予防するために、抗凝固療法、②心拍数を調節するレートコントロール療法、③洞調律を維持するための、リズムコントロール等があります。最近では、カテーテルアブレーションを行う施設が増加していますので、御相談ください。

6.心室細動

心室が、無秩序、頻回に興奮する病態で、心臓から、有効な血液が侵害に駆出出来なくなる状態です。
血圧が低下して、持続した場合は致死的で、蘇生が出来ても、脳死状態になる場合もあります。
心臓に、器質的な疾患がある例が多く、代表的な疾患としては、急性心筋梗塞、拡張型心筋症、急性心筋炎、複雑先天性心疾患、冠攣縮性狭心症患者などに、しばしば認められます。
心室細動を確認出来たら、まずは、心臓マッサージを行います。次に、除細動(AEDあるいは、体外式除細動器)を行う順番になります。
前記の、心疾患において、心機能が低下している例は、植え込み型除細動器を検討すべきです。御相談ください。

8.冠動脈狭窄

狭心症の説明を御参照下さい【狭心症を見る】。

9.帯状疱疹

帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウィルスが、患者の免疫能が低下していたり、ストレス、疲労時に再活性化したウィルスによって発症します。
好発部位は、三叉神経痛、肋間神経に沿った領域で、これらの神経節に潜伏感染しているのです。
小水疱、丘疹、紅斑が生じ、集簇化するのも特徴で、ピリピリ感を伴うことが多いです。
診断は、皮膚科医に御相談ください。最近は、抗原迅速キットも市販化されており、早期診断、早期治療は重要で、治療が遅れたり、不十分であると、帯状疱疹後の神経痛を生じ、難治性です。基本的には、抗ウィルス薬の内服または、点滴静注法があります。
詳しくは、皮膚科専門医に御相談ください。

10.大動脈解離

大動脈は身体の中でもっとも太い血管で、胸部から腹部にかけて位置しています。直径は胸部で2~3センチ、腹部で1.5~2センチほどもあり、大動脈解離は三層になった大動脈の中央の膜に亀裂が入って裂ける病気です。
この病気の怖いところは前触れなく、突然の激痛で発症すること。ゆっくりと進行する慢性のタイプもありますが、急性の場合、本当に短時間で進行します。痛む場所はどこで裂けたかにもよりますが、胸部や背中に痛みを感じることが多く、痛みが移動することもあります。
大動脈は身体の血流の本管とも言える存在で、脳や心臓、全身の臓器へ向かう動脈は大動脈から分岐しています。そこで大動脈に解離が生じると分岐した先の臓器への血流が途絶えてしまうことになります。その結果、脳に血流が届かなくなると脳梗塞、心臓の場合には心筋梗塞が起こるなど非常に危険な状態が招来することになり、突然死に繋がる可能性もあります。
大動脈解離には心臓にもっとも近い上行大動脈が解離するA型と、上行大動脈が解離していないB型があり、A型は死亡する危険性が高く、緊急手術が必要となります。A型と比較するとB型は重症度が低いと言われ、治療できる可能性があると言われます。ただ、その場合でも手術は必要です。
女性に比べると男性の発症は約2~3倍多く、60歳以上で発症が増加、ピークは70~80歳代となっています。動脈硬化がある、高血圧の人に多く、冬季に発症が増えることも分かっていますが、それ以外は不明なことも多い病気のひとつです。

11.肺血栓塞栓症

エコノミークラス症候群とも言われる肺血栓塞栓症は肺動脈に血液の塊である血栓が詰まる病気です。災害で避難していた人たちが長時間一定の姿勢を取り続けたことで発症、社会的に話題になったことを覚えている方もいらっしゃるでしょう。
災害時だけではなく、病気や手術後に長い間伏せっていたり、ギプスで長期間下肢を固定したりする場合などにも発生のリスクが高まります。女性の場合には妊娠期間中に凝固因子の異常が起こるなどして発生することもあります。
発症に先立っては下肢のむくみや痛みなどの症状が出ることがあると言われており、予防のためには軽い体操やストレッチなどで下肢を動かすことが大切です。厚生労働省はそれ以外にも十分にこまめに水分を取る、アルコールを控え、できれば禁煙する、ゆったりした服装をし、ベルトをきつく締めないなど6つのポイントを指摘しています。
発症すると突然に胸に痛みを感じるほか、胸苦しさ、動悸、冷や汗などが起こり、心筋梗塞や気胸などに類似する症状を呈します。血管の閉塞した範囲が広い場合には意識を失い、さらに最悪の場合には死に至ることも。
災害時その他身体を十分に動かせない状況下にあっても、できるだけ下肢を含め、身体を動かすようにしておくことが大事でしょう。

12.睡眠時無呼吸症候群

この10数年ほどで知られるようになった病気のひとつに睡眠時無呼吸症候群があります。文字通り寝ている間に何度も呼吸が止まる病気で、睡眠中、1時間に平均して5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる場合にはこの病気が疑われます。 日本では2003年に山陽新幹線運転士による居眠り運転で注目されるようになりました。この時には幸い自動列車制御装置が作動して停車、犠牲者は出ませんでしたが、以降、何度か睡眠時無呼吸症候群が関与したと思われる大きな事故が起きており、この病気の怖さを教えてくれます。
本人にとってもこの病気は命を縮める可能性があります。睡眠時に呼吸が止まることで心臓や脳、血管に大きな負担がかかるため、健康な人に比べて高血圧、心不全、脳卒中、不整脈、狭心症、心筋梗塞、突然死になるリスクが2倍以上も高いのです。そのため、現在では循環器系の分野で治療、研究が進んでいます。
前兆として多く見られるのがいびきです。日中の眠気、朝方の頭痛や夜間頻尿が出ることもありますが、いびき以外には自覚症状が出にくい病気でもあり、本人には分かりにくい病気のひとつ。周囲にいびきがひどい人がいる場合には呼吸が止まっていないか、注意を払い、医師の診断を受けるように勧めてみてください。
睡眠時無呼吸症候群というと、いびき+肥満の人を想像するかもしれませんが、それだけと思うのは勘違い。日本を含め、東アジアの諸民族は顎が小さく、もともと気道が狭い人が多いと言われており、肥満でなくても横になった時に気道が閉塞、いびきをかきやすいのだとか。肥満でなくてもいびきのひどい人には危険があるのです。
ただ、この間で診断、治療は進化しており、適切な治療を受けられれば状態は大きく改善します。軽症の場合には横向きに寝る、禁酒、睡眠薬の禁止、鼻疾患の治療、減量などといった生活習慣の改善だけでほぼ正常にまで改善することもあります。
それ以外では夜間、口腔内にマウスピースを装着するマウスピース療法、夜間、専用のマスクをして気道に圧力をかける持続陽圧呼吸(CPAP)療法が一般的です。

13.慢性腎不全

腎臓病には多くの種類の病気があります。腎臓そのものに問題が起きて病気になる(原発性)のものとしては腎炎があり、そのうちには部位によって糸球体腎炎や間質性腎炎がありますし、糖尿病や痛風その他の腎臓以外の病気が原因となっておこる(続発性)糖尿病性腎炎、腎硬化症、痛風腎なども。
加えて急性糸球体腎炎のようにあっという間に悪化するものの、治療で早々に快癒するものもあれば、末期になるまで自覚症状がなく進行する慢性糸球体腎炎、遺伝性の多発性嚢胞腎などもあります。
急性腎不全以外の場合には腎臓の機能は一度失われると、ほぼ回復することはなく、慢性腎不全という状態に陥ります。それまでには数カ月、数十年という長い年月がかかりますが、注意しなくてはいけないのは初期においてはほとんど症状がないことです。
夜間の尿の量が増える、脚や目の回りなどにむくみが出る、疲れやすくなる、食欲が落ちる、息切れがするなどの症状が出た時点ではすでに腎機能はかなり低下してしまっている可能性が高いのです。自分で気づくことが難しい病気といえるわけです。
そのため、重要なことは定期的に健診を受けること。実際、一般社団法人全国腎臓病協議会によれば、腎臓病患者のうち70%以上の方が健康診断をきっかけにして病気が分かったというデータがあるのだとか。健診が腎臓を守ってくれるのです。
健診のためには尿検査、血液検査が行われます。尿検査では尿に蛋白質や血液が漏れ出ていないかを検査しますが、激しい運動の後や発熱でも同様の結果がでることがあるので、一度検出された場合でも再検査が必要になることがあります。
血液検査では多種の値を調べて腎臓の機能を確認することになりますが、そのうちでも重視されるのが血清クレアチニン値です。クレアチニンは筋肉に含まれるタンパク質の老廃物で、普通であればすべて腎臓の糸球体でろ過されて尿中に排泄されるもの。ところが、腎臓の機能が低下してくると排泄される量が減少してしまい、血液中にクレアチニンが溜まることに。その結果、血清クレアチニンの値が高くなるのです。ただし、腎臓にある糸球体が3分の1以上壊れないと上昇してこないといわれています。
従って初期の腎臓病では値の変化が見られない場合もあり、そうした点を考えるとやはり定期に検診を受けることが大事なのです。
ちなみに血清クレアチニンの正常値は男性で1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下となっており、一般的には8.0mg/dl以上となると透析導入が検討されます。

14.脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪といった脂肪分が多すぎる、あるいは少なすぎる状態を指します。以前は高脂血症と呼ばれていましたが、高いだけではなく、低い場合も健康に影響を及ぼすことから、2007年に日本動脈硬化学会が診断名を脂質異常症に改訂しています。
脂質異常症が怖いのは痛い、辛いなどといった自覚症状が全くないこと。放置しておくと動脈硬化(血管の内側にコレステロールなどが付着して血管が狭く硬くなり、血行が悪くなること)が起こり、そこに血液の塊である血栓が詰まることで心筋梗塞、脳梗塞など生命に関わる結果を引き起こすのですが、そこに至るまで気づかないことが多いのです。
心筋梗塞、脳梗塞以外でも狭心症、糖尿病、CKD(慢性腎臓病)その他脂質異常症が引き起こす、あるいは併発しやすい病気はとても多く、早めに気づいて改善を図ることが健康維持のためには大事なポイントです。
具体的には食生活の改善、身体を動かすようにすること、禁煙が挙げられます。肥満の場合には体重を落とす必要も大事です。
食生活ではコレステロール値を上げないために動物性脂肪の摂りすぎに注意する必要がありますし、中性脂肪値は清涼飲料水やアルコール、甘いお菓子、食事などを摂り過ぎると高くなります。洋食よりも野菜や大豆製品、魚などを中心にする日本食のほうが脂質異常症の予防、治療に適していると言われています。
肥満解消には脂質異常症だけでなく、高血圧や糖尿病その他のいわゆる成人病の改善効果も見込めます。特に身体を動かすようにすることは体重の管理のみならず、善玉のHDL-コレステロールを増やす効果もあり、一石二鳥。HDL-コレステロールには血管の内側に沈着した悪玉コレステロールを肝臓に運んで除去し、動脈硬化の進行を抑える働きがあるのです。逆に喫煙はこの善玉コレステロールを低下させます。禁煙を勧められるのはそのためもあるのです。

15.サルコペニア

ここ数年でよく聞くようになった単語のひとつにサルコペニアがあります。これはギリシャ語で筋肉を表す「サルコ」と喪失を表す「ペニア」を組み合わせて作られた単語で、筋肉量が減少し、筋力はもちろん、全身的な身体機能が低下している状態のことを指します。こうした状態に陥ると転倒しやすくなり、それが原因で大腿骨骨折、寝たきりとなることで動けなくなる可能性があり、予防することが健康に長生きするためには大事と言われています。
たとえば、これまでは渡れていた横断歩道を青信号の間に渡り切れなくなってしまった、ペットボトルや瓶の蓋が開けにくい、体格指数(BMI)が18.5未満に痩せてしまったなどの変化があった場合には、サルコペニアを疑ってみても良いでしょう。
ひとつ、注意したいのは一般には体重の減少と同時に筋肉量の減少が起きることが多いのですが、その一方で脂肪が多く、筋肉が少ないサルコペニア肥満という状態もありますので痩せていなければ安心というわけではありません。
もうひとつ、似たような言葉にロコモティブシンドローム(運動器症候群、一般にはロコモと略されることが多い)があります。これは2007年に日本整形外科学会が提案した概念で、運動器の障害によって移動機能が低下した状態と定義されています。歩くことはもちろん、立ったり座ったりする機能が衰えるもので、進行すると介護が必要になる可能性が高くなってきます。ちなみにロコモティブとは本来機関車のことで、蒸気機関車を「スティーム ロコモティブ」と言いますが、医学的には関節、骨、筋肉などの運動器のことをさします。
ロコモの原因としては変形性関節症、骨粗鬆症など骨や軟骨、筋肉等の運動器を構成する組織の疾患が挙げられますが、サルコペニアはそうした特定の疾患ではなく、加齢によって筋力全般が落ちて行くもの。ロコモの要因のひとつに疾患ではなく、状態という意味でサルコペニアがあると考えれば分かりやすいでしょう。
いずれの場合も進行してしまうと良くなる可能性はほぼありません。早めに予防を考えて行く必要があるのです。
予防対策としては主に食事、運動に留意するやり方が推奨されます。また、栄養を十分に摂取し、運動機能の維持、改善するためには口腔機能の維持・改善も重要と言われます。歩く力と口腔衛生は一見遠く見えますが、実は健康維持という意味で関連性が高く、歯磨きも大切です。