人生100年時代ブログ

2020.11.27

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について~症状・診断・治療~

非結核性抗酸菌症(NTM症)のイメージ

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?

慢性閉塞性肺疾患は、長期にわたる有害物質の吸入曝露によって生じる炎症性疾患です。多くはタバコ煙を原因とする発症で、かつて慢性気管支炎や肺気腫などと呼ばれていたものもこれらの一種です。英語名(chronic obstructive pulmonary disease)の頭文字をとってCOPDとも呼ばれています。
COPDでは、肺の中の気管支に炎症が起きた結果、気流閉塞が引き起こされますが、これは治療に取り組んでも元通りには戻りません。病気の進行とともに活動時の呼吸困難感や慢性のせき、たんなどの症状が徐々に表れますが、中にはあまり症状を訴えないこともありますので、健康診断時の肺機能検査で判る方もいらっしゃるでしょう。

COPDの発症原因となるのは長期にわたる喫煙歴

この病気の原因は、大気汚染や職業性暴露によるものもありますが、何といっても長期の喫煙歴です。COPDを発症する患者さんの喫煙率は非常に高く、ほぼ100%といってもいいほどです。
日本におけるCOPD患者数は40歳以上で500万人以上といわれていますが、多くの方は「年のせい」と考えがちで、医療機関を受診していないケースもあります。また、受診したにもかかわらず、医師に正しく診断されなかった可能性を考慮すると、さらに多くの潜在的な患者がいることが見込まれます。
一方、COPDには喫煙歴が長くても発症率が低いという面もあります。呼吸器領域ではCOPDの発症率について“twenty rule”と呼ばれるものがあり、「喫煙者の20%、タバコを1日1箱20年間の喫煙歴のある方で20%が発症する」とされています。喫煙者全員がCOPDを発症するのであれば話は早いのですが、そうでないのが低受診率、低診断率に関係しているのかもしれません。また、発症率の低さゆえにCOPD予防を謳った禁煙運動を進めていくのが難しいことも事実です。しかし、禁煙なくしてCOPD患者の減少は期待できないため、悩ましい問題です。

ご相談のある方、まずはご予約下さい。 03-3572-100

COPDの診断と治療について

COPDの診断は自他覚症状をはじめ、肺機能検査は必須で、画像診断も必要となります。診断に用いる画像についても胸部単純X線写真では診断が難しく、胸部CT検査が必要です。また、CT検査も通常のものではなく、高分解能CT(HRCT)を用いるため、なかなかハードルが高い面もあります。
COPDの治療として最も大切なのは発症原因の除去、つまり禁煙です。薬物療法も行いますが、喫煙を続けていると治療の効果が出にくいだけでなく、さらなる呼吸機能の悪化にもつながりかねません。まずはCOPD治療の基礎となる禁煙をした上で、食事や薬物などの面からも改善を図っていくのが良いでしょう。
食事について日本人は欧米人に比べやせ型の方が多いため、COPDに限ってはコレステロール値が高くなるのは覚悟の上で、高脂質食をお勧めしています。肺の炎症が広がる過程で体内に熱がたまりやすく、息苦しさから呼吸筋を激しく使うCOPD患者さんは、健康な人に比べてエネルギー消費量が多く、十分な栄養を摂取するためには高カロリーな食事が必要です。しかし、タバコのせいで食事がおいしく感じなかったり、肺の膨張により満腹になりやすかったりと上手くいかないケースも少なくありません。
薬物療法は、吸入剤では長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)やLAMA/LABA合剤が主役となります。これに気管支喘息合併例や、COPD急性増悪予防目的で吸入ステロイド薬を上乗せすることもあります。
非吸入療法では、テオフィリン製剤を用いることもあります。また、ユニークな薬で、ホクナリンテープ®という貼り薬の長時間作用性β2刺激薬もあり、こちらは高齢者をはじめ、スムーズな吸入が難しい場合に用いられます。
なお、禁煙については、禁煙外来のある医療機関で、受診条件を満たせば一定期間の禁煙治療に医療保険が適応されます。受診条件は以下の通りです。
①直ちに禁煙をしようと考えている。
②タバコ依存症スクリーニングでニコチン依存症と診断されている。
③ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×年数)が200以上。
④禁煙治療を受けることを文書で同意していること。
⑤1年以内に健康保険を使って禁煙治療を受けていないこと。
以上の条件にあてはまり、禁煙しようと考えている方は、禁煙外来のある医療機関に相談してみるのも1つの手です。

ご相談のある方、まずはご予約下さい。 03-3572-100