一般に、動悸とは、
1)胸が圧迫される感じ、
2)脈が速くなる状態、
3)脈が抜ける感じ、
4)脈が遅くなる場合、等に分類されます。
1)の場合
①虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)
② 肺血栓塞栓症(下肢の静脈瘤がある患者、エコノミークラス症候群)
2)脈が速くなる場合;頻脈性不整脈の場合が多いです。
①上室頻拍、心房細動、心房粗動など
②心室頻拍、心室細動、めまい、失神を伴う場合が多く、危険。
3)脈がぬける感じ
①上室期外収縮、心室期外収縮
②発作性心房細動など
4)脈が遅くなる場合
①房室ブロック(高度房室ブロック、完全房室ブロックなど)
②洞機能不全症候群
③徐脈性心房細動(上記、②に含まれる、徐脈頻脈症候群)など
いずれも循環器内科専門医に御相談ください。
まずは、総合診療科受診が良いです。症状や、検査所見から、適切な診療科を紹介していただきましょう。もちろん痛みの程度が強ければ、早めに、受診しましょう。
①心窩部痛;胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎
②急性炎症;急性胃腸炎、急性膵炎、急性胆嚢炎、急性虫垂炎(いわゆる盲腸炎)、腹膜炎、大腸憩室炎など消化器内科専門医に御相談ください。
①女性の場合;子宮外妊娠、卵巣出血、卵巣嚢腫の茎捻転など
婦人科専門医に御相談ください。
①急性心筋梗塞(上腹部痛の場合があります)、急性大動脈解離、腹部大動脈瘤(切迫破裂)
②腸間膜動脈血栓塞栓症;心房細動患者で、腸間膜動脈に起きる血栓塞栓症です。
循環器内科専門医に御相談ください。
疾患としては、以下が鑑別疾患になります。
①狭心症、急性心筋梗塞
②慢性閉塞性肺疾患;肺気腫、慢性気管支炎
③気管支喘息
④心不全
⑤肺血栓塞栓症
⑥肺癌
⑦気胸
⑧肺炎
などが、考慮されます。まずは、循環器内科専門医または、呼吸器内科専門医に御相談ください。心電図、胸部X線検査、血液検査、場合によっては、胸部CT検査も必要な場合があります。
①片頭痛 ②くも膜下出血 ③髄膜炎、脳炎 ④脳腫瘍 ⑤脳梗塞、脳出血 ⑥頸動脈、椎骨動脈系の血管の解離
などが代表的な疾患です。まずは、脳神経内科専門医に御相談ください。頭部CTや、MRI検査が必要になる場合が多いです。
疾患として、鑑別すべきは以下になります。
①狭心症
②急性心筋梗塞
③急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)
④急性肺血栓塞栓症
⑤自然気胸(緊張性気胸)
⑥急性心膜炎、急性心筋炎
⑦大動脈弁狭窄症
⑧急性胸膜炎、肺炎
⑨逆流性食道炎
まずは、循環器専門医に御相談ください。上部内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)が必要になる場合があります。
既往歴、内服歴(糖尿病、高血圧、脳血管障害、肝疾患、てんかん、内分泌疾患、不整脈など)、目撃者の証言を参考にします。
疾患としては、
①糖尿病関連;低血糖、糖尿病性昏睡
②脳血管障害;脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など
③外傷性;硬膜下出血、脳挫傷など
④感染症;重症肺炎、敗血症、急性腎盂腎炎など
⑤心原性;急性心筋梗塞のショック状態、心室細動などの重篤な不整脈
⑥急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)
⑦内分泌疾患に関連;甲状腺クリーゼ、副腎不全、下垂体機能不全など
⑧熱中症(重症脱水症)
⑨けいれん発作後
などが代表的な疾患です。詳細は、循環器内科専門医、脳神経内科専門医に御相談ください。
心房細動、心房粗動、心室細動、心室頻拍、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、敗血症、貧血、ショック、心不全、慢性肺疾患等の可能性があります。循環器専門医に診ていただくことをお勧めします。
服用量に関する心房細動発生データは見つかりませんでした。