人生100年時代ブログ

2021.03.16

弁膜症について①~症状・原因~

弁膜症のイメージ

弁膜症とは?

心臓には、血液の流れを一方向に保ち逆流を防ぐため、右心室と左心室の出入口に合計4つの弁が存在します。右心室の入口に「三尖弁」、右心室の出口に「肺動脈弁」、左心室の入口に「僧帽弁」、左心室の出口に「大動脈弁」と4つの弁膜があります。
これらの弁に異常をきたし、血流に変化が起きている状態を弁膜症といいます。弁膜症は狭窄症と閉鎖不全症の2種類に分けられます。狭窄症とは弁の開きが悪くなり、血液の出入口が狭くなった状態を指します。対して閉鎖不全症は、弁が閉じないために、血液の逆流が起きてしまうものです。

弁膜症の症状やそれぞれの特徴

弁膜症は進行すると心臓のポンプ機能を低下させ、心不全を引き起こしてきます。ですが、一定のラインを超えるまで無症状であることも多く、なかなか自分自身では判断しにくい病気です。
症状は主に動悸・息切れ・疲労感・足のむくみ・めまい等が見られます。症状が悪化してきたときには、一般的な内科での治療も容易ではなくなるため、早期発見のために少しでも異常を感じたら診察を受けてみてください。以下、大動脈弁と僧帽弁についてそれぞれの特徴をご紹介していきます。

ご相談のある方、まずはご予約下さい。 03-3572-100

大動脈弁狭窄症

弁の開きが悪くなることで、左心室に負荷がかかり、左心室が肥大します。そして左心室の圧が上昇して、大動脈圧よりも50mmHgを超えてくると要注意です。左心内圧は非常に高いのですが、重症の大動脈弁狭窄症の患者さんに高血圧はいません。近年は高齢者に多く見られます。何気なく歩いていると息切れや動悸が目立つようになり、ところが血圧を測ってもそれほど高くない。こうした時には大動脈弁狭窄症が疑われます。また、息切れの他にも呼吸困難や狭心症等を引き起こし、最悪の場合突然死するケースもあります。

大動脈弁閉鎖不全症

大動脈弁が拡張期に閉じないため、拡張期血圧(下の血圧)が下がり、脈圧(最高血圧と最低血圧の圧格差)が大きくなります。大動脈弁狭窄症と違って血圧は上がりますが、下の血圧が下がります。下の血圧が40mmHgを下回る場合は大動脈弁閉鎖不全症のおそれがあり、重度の場合は最低血圧が0まで下がることもあります。
症状としては狭窄症と同様に運動時の息切れや動悸です。 悪化していくと安静時(特に横になった時)にも呼吸困難などの心不全症状が表れます。

僧帽弁狭窄症

僧帽弁の開きが悪くなると、左心房に血液が溜まります。すると肺からの血液の流れが滞り、左心室圧が上昇して肺うっ血や心房細動、肺高血圧症などの合併症を引き起こします。さらに心房細動になると、左心房内に血栓(血の塊)ができて剥がれ、脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起す場合があります。基本的には初めはほとんど無症状です。しかし、狭窄が進行してくると安静時にも息切れが表れたり、むくみや食欲低下にもつながります。

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僧帽弁閉鎖不全症

左心室に流れた血液が、弁が閉じないため左心房へ逆流します。したがって左心房や左心室に大きな負担がかかり、心機能が低下して息切れなどの症状や僧帽弁狭窄症と同様の合併症が引き起こされます。また、こちらも大動脈弁狭窄症と同じく高齢の患者さんで増加しています。

弁膜症の原因

元々、弁膜症の主な原因はリウマチ熱の後遺症によるものでしたが、近年は衛生状態の改善等によりリウマチ熱自体が激減しています。代わりに、近年では高齢化と相まって加齢による弁の硬化や石灰化、変形などによる動脈硬化後の弁膜症が増えてきました。
また、生まれつき弁が2枚しかない二尖大動脈弁という先天性弁膜症の場合、軽度の異常であれば問題ないこともありますが、成長するにつれて不具合を起こす可能性もあります。 他にも感染性心内膜炎というものもあります。これは、歯科治療などの小手術の際に細菌が血流に紛れ込み、心臓弁膜に住み着くことで弁膜症になってしまうというものです。感染性心内膜炎の場合、1日中ではなく概ね昼頃から37度代の微熱が発生し、数か月~1年にわたって持続、倦怠感や体重減少をきたしたりします。この場合、ただの風邪の症状との区別が難しいため注意が必要です。 その他、外傷や胸部の打撲、心疾患の影響により弁の逆流が起こる可能性もあります。