人生100年時代ブログ

2021.03.23

弁膜症について②~診断・治療~

弁膜症のイメージ

診断について

弁膜症には特有の分かりやすい症状がないため、進行してこないと気づくことが難しい病気です。息切れや動悸などの症状は、特に高齢者の場合だと年のせいにしてしまいがちです。その上、日ごろ運動を行っていなければ、そもそも症状が表れないということもあります。
もし身体を動かしただけで少しでも呼吸に詰まるようであれば、一度診察を受けてみてください。
問診や心電図、聴診で弁膜症の疑いがでた場合、心エコー検査を行います。心エコーでは超音波による弁の開閉状態、心臓の肥大や、血液の流れ、その他心機能の状態を確認できます。弁膜症の有無はもちろんのこと、心不全など合併症の有無や適切な治療法を判断することもできます。

ご相談のある方、まずはご予約下さい。 03-3572-100

主な治療法

自覚症状や合併症がまだ表れていない、もしくは軽度である場合は、基本的にまず経過観察で様子を見ます。
薬に関しては血管拡張薬や利尿薬などを使います。弁膜を修復するというよりは、薬によって心臓の負担を軽減させて心不全などの合併症を抑えるという目的です。ただし感染性心内膜炎の場合は、抗菌剤であるペニシリンを使用することで感染症の治癒を目指します。
薬での回復が見込めない場合には、手術を行います。患者さんの症状・程度・年齢等によって適切な治療法を使い分けています。
外科治療としては、形成術と置換術の2種類があります。
形成術は縫合や補強により弁膜の修繕を行うものです。僧帽弁や三尖弁、近年では大動脈弁でも対応できるようになっています。
一方で置換術では、既存の弁を切除して人工の弁を取り付けます。人工弁にはチタンやカーボンなどの金属でできた機械弁と、ブタやウシなど生物由来の生体弁があります。それぞれにはメリットとデメリットがあるため、これからのライフスタイルを考慮して医師との相談によって決められます。機械弁は耐久性に優れていて一生付け替える必要はありませんが、弁を取り囲むような血栓ができやすくなるため、抗凝固薬を飲み続ける必要があります。生体弁では薬が不要ではあるものの、耐久性に劣るため10年前後のスパンで弁を取り換えなければなりません。

カテーテルでの治療

また、外科手術以外にも治療法は存在します。カテーテル治療というものです。主に足の付け根などにある動脈から細い管を挿入し、開胸をすることなく心臓弁の治療が可能になります。
僧帽弁閉鎖不全症の場合は、カテーテルでのクリッピングを行います。クリッピングでは僧帽弁の弁尖をクリップで留めることにより逆流を抑え、左心房の負荷を軽減することができます。
大動脈弁狭窄症にはバルーン弁形成術が有効です。典型的な大動脈弁狭窄症は、3尖ある弁が一部癒合して狭窄を起こしています。そこで、カテーテルを経由してバルーンを弁のところまで挿入して膨らませることで、癒合した弁を開大させて狭窄をなくすことができます。
さらに、大動脈弁にはTAVIと呼ばれる新しい治療法もあります。これは、開胸を行わずカテーテルを用いて、大動脈弁に人工弁を取り付ける治療法であり、超高齢者や何らかの理由で手術ができない患者さんに行われます。TAVIを行うには学会および厚労省により認定を受けた施設でなければなりません。最近、特に高齢者で非常に普及してきている術式です。

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